工務店などに外壁リフォームの相談をしたときに、「光触媒がおすすめです」なんて提案されたものの、説明を聞いてもまったく理解できなくて困っている人もいるかもしれません。光触媒は名前からして難しいですし、費用も高くて簡単に導入を決断できないものです。

ここではそんな光触媒の特徴を説明しながら、光触媒で外壁を保護するための2つの方法についてご紹介します。

光触媒って何?知っておくべき基礎知識

まずお伝えしなくてはいけないのは、光触媒という技術はまだまだ研究段階にあるということです。もちろん商品化できるくらいの品質はありますが、あまりにも新しい技術すぎて、例えば耐用年数に関する実績がありません。理論的には長持ちすることになっていますが、本当に耐久性が高いのかどうかはこれから分かる商品です。

それでも、光触媒を業者がおすすめしてくるのは、はっきりと分かっている効果があるためです。難しい説明は省きますが、光触媒である酸化チタンに太陽の光が当たると、活性酸素が発生して汚れや菌などを分解します。これによって外壁をセルフクリーニングしてくれます。

さらに光触媒は紫外線が当たることで、超親水状態となります。物質の表面に馴染むため水滴として壁に留まることがなく、すべて流れ落ちてしまいます。このときに分解した汚れも一緒に流してくれるため、外壁をいつでもきれいな状態に保つことができます。

そんな効果があると安全面での心配が出てきますが、光触媒として使われる酸化チタンは食品の着色料や日焼け止めなどにも使われています。安全面でも問題はありませんので、安心して使うことができます。

光触媒で外装を保護するための2つの方法

光触媒を使って外装を保護する方法は2つあります。1つは光触媒塗料を使った塗装で、もう1つが光触媒コーティングを使った塗装です。それぞれの特徴についてみていきましょう。

光触媒塗料

光触媒塗料は、酸化チタンなどの光触媒が含まれた塗料です。他の塗料と同じように外壁に塗るだけで光触媒のセルフクリーニング効果を得ることができます。リフォームで採用する場合には、既存の外壁塗装を落とす必要があり、素地も汚れをしっかり落としてから下地処理をして施工する必要があります。

酸化チタンの色が白い顔料の役割を果たすため、塗料の場合は色の選択肢がほとんどありません。外壁を白ベースに仕上げたいときにおすすめの方法です。

光触媒コーティング

光触媒コーティングは着色料となる塗料を塗り、そのうえからコーティングをおこないます。このため光触媒塗料のように白ベース以外の色を使うことができます。ただし、コーティング材によっては下地になる着色料の指定があり、濃い色は選べないこともあります。

また、光触媒コーティングにはさまざまな種類があり、品質にバラツキがあります。一般的には耐久性が高いとされていますが、すべての商品で高耐久性というわけではありません。高品質な光触媒コーティングを使ったとしても、下地が先に劣化してリフォームが必要になる可能性もあります。

光触媒を使うときの注意点

とても魅力的な光触媒ですが、実際に家の外壁に採用するときには、いくつかの注意点があります。どのような点に気をつければいいのかご紹介します。

業者選びが重要

光触媒の塗料やコーティングは他の塗料のように粘り気が少ないため、垂れ落ちやすいという特徴があります。このため、初めて施工するというような業者の場合は、うまく塗れない可能性があります。業者選びは実績重視で選ぶようにしましょう。

費用が高い作業ですので、どうしても見積金額の低い業者を選びたくなりますが、実績のない業者を使った結果、ほとんど効果が得られなかったということもあります。そのようなことのないように、依頼する前に必ず実績の確認をおこなってください。

太陽の光が当たらないと効果なし

光触媒は紫外線が当たらないことには、その効果を得ることができません。このため、太陽が当たらない北側の外壁に塗っても意味がありません。また、日照時間が短い地域でも同様に高い効果を得られません。光触媒は費用が高くなりますので、効果が期待できない場所は省いて施工しましょう。

光触媒で外壁を守りたいときは信頼できる業者に依頼する

光触媒はまだまだ開発段階の技術です。それでも塗料やコーティングは、数多くの商品がラインナップされています。大手企業が販売する商品もあれば、小さな会社の自社開発商品まであります。施工する業者の技術力にも違いがあります。

このような状況で、しっかりとした施工をしてもらいたい場合に重要なのは業者選びです。つい費用が安い業者を選びたくなりますが、見積金額だけで決めるのではなく、実績があり「ここに任せれば大丈夫」と感じた信頼できる業者にお願いしましょう。