建築物の外部で、2m以上の高所作業を行う際に必要になってくる足場。住宅の外壁塗装には必須と言えるでしょう。近年、特に使用されることが多くなってきたのが「ビケ足場」と呼ばれるもの。これは、昔から使われてきた枠組み足場とは構成が全く異なる革新的な足場です。
この記事ではビケ足場の解説と、単価の目安、そしてビケ足場が使えない場合についてご紹介します。
ビケ足場の正式名称は「クサビ緊結式足場」と言います。ビケ足場と呼ばれるようになった理由は、株式会社大三機工商会が開発した国内初のクサビ緊結式足場を「ビケ足場」と名付けたことからです。
さて、ビケ足場とはどのような足場なのでしょうか。ビケ足場とは、クサビ緊結式足場という正式名称の通り、足場の緊結部分にクサビを用いて組み立てる足場のこと。1本足で支えることができるので、軽量かつシンプルな構造なのが特徴です。
部材が少なく組み立てが容易なので低コスト。さらに狭いスペースでも対応可能なので、凹凸の激しい複雑な形状の建物や曲面でも理想通りの足場が設置できます。ビケ足場は、現代の住宅建築やメンテナンスにおいて欠かすことができない足場と言えるでしょう。
では、ビケ足場は一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか?一般的な枠組み足場との費用を比較して解説していきます。
枠組み足場の一般的な単価は、1,000~1,500円ほど。一方、ビケ足場の一般的な単価は、800~1,000円ほどです。こう聞くと、あまり差がないように聞こえるため、実際にはどのくらいの費用がかかるのか、計算して比べてみましょう。
足場の費用は、施工する外壁の面積に比例します。高さ3mで、1面の幅が10mの外壁だったら、3×(10×4)=120となり面積は120㎡。ただし、足場は外壁よりも大きめに建てるため、1面ごとに両端に0.5mずつ足して計算します。
*(10×4)の4は、普通の戸建ての場合4面の為
つまり、高さは3+0.5=3.5mとして(片端が地面なので)、幅は10+0.5+0.5=11mとして計算するため、3.5×(11×4)=154㎡ということになります。
では、枠組み足場とビケ足場ではどのくらいの費用の差が出てくるでしょうか。枠組み足場の場合、154,000円~231,000円程度の費用。一方、ビケ足場では、123,200~154,000円程度の費用になります。つまり、業者にもよりますが、最大で10万円以上の差が生まれてしまうのです。
また、ビケ足場の単価は、最大でも1,000円であることを覚えておきましょう。1,000円以上で見積もってくる業者があれば、利益として上乗せしている可能性があります。
ちなみに、一般的な30坪程度の住宅の場合、約20万円の費用になります。相場の目安として覚えておきましょう。
コストを最大で10万円程度も安くできるビケ足場ですが、残念ながらどんな環境でも使えるというわけではありません。設置することができないケースも存在します。
実はビケ足場は、一番高い部分が10m以上の住宅には使用することができません。3階建てはもちろんのこと、2階建てでも10mを超える場合があるので、注意しましょう。また、スペースが狭すぎる場合もビケ足場を使用することができません。
ビケ足場を設置できるだけの奥行きがない場合、単管足場で対応します。これは、単管2本の上に足をのせる、安全とは言い難い足場。単価はビケ足場よりもさらに安い500~800円程度ですが、どうしても敷地に余裕がない場合に限り、緊急手段として採用される足場です。むやみに要求しないようにしましょう。
ビケ足場はシンプルな構造が特徴の足場。複雑な構造の建物にも使用できるため現代の建築には欠かせない足場です。部材が少ない上に施工に時間がかからないため、コストが安くなるのも嬉しいところ。ただし、使用できない場面もあるので注意が必要となります。
足場の出来栄えによって、塗装にかかる工期やクオリティに費用は変わってきます。たかが足場と考えずに、しっかりと検討するようにしましょう。
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