外壁の塗り直しを行っても、今の外壁と同じようにまたして欲しい。気に入っているお家ならば当然そう考えますよね。しかし、同じ塗料を使っても全く同じとはなかなかいかないものなのです。

そんなときに検討をするのがクリア塗装です。クリア塗装を行うと本当に同じ外壁を保てるのか、価格はいくらなのかを見ていきましょう。

クリア塗装で外壁を守るには劣化が起こる前がポイント!

クリア塗装とは、着色をしていない無色透明な塗料を塗ることを指します。なぜ、無色透明な塗料を使うのかというと、艶を出して見栄えを良くしたり、外壁を保護したりする効果があるからです。マニキュアでいうところのトップコートといったイメージでしょう。

当然、着色がされていないため、塗装の色褪せが始まってからクリア塗装を行っても意味がありません。クリア塗装を行う際のポイントは、劣化が起き始める前ということになります。劣化が起きてしまうのに先回りをして、クリア塗装を重ねていけば、今ある外壁を損なうことなく、そのまま美しく保ち続けることができるのです。

クリア塗装だけの塗り直しでは耐久性など心配が浮かぶかもしれませんが、クリア塗装と一言で言っても塗料の種類はさまざまで、シリコンやフッ素といったグレードに応じた素材で作られています。そのため、予算や希望に応じて使い分けることができるので安心です。

クリア塗装がおすすめできない場合もある

外壁劣化の予防をすることができるクリア塗装ですが、どの外壁にも行えるというわけではないのです。チョーキングやひび割れなど、すでに劣化が始まってしまっている外壁をクリア塗装することはおすすめできません。今の劣化している状態が残ってしまうからです。

そういった、すでに起きてしまっている問題以外にも、クリア塗装をおすすめできない外壁があります。以下に簡単に紹介するので、自分の家が対象となっていないか見ておきましょう。

①光触媒や無機コーティングをしてある外壁はクリア塗装ができない

光触媒や無機コーティングをしてある外壁は、10年ほど経過していても艶が残っているように作られています。こうした外壁にクリア塗装をしてしまうと元々コーティングしてあるところに更に上塗りをしてしまう形となるため、うまく塗料が外壁に密着できません。これではせっかくクリア塗装を塗っても早々に剥がれ落ちてきてしまう恐れがあるため、施工はできないのです。

クリア塗装を検討する際には、今の外壁の塗装が何を使われているのかを今一度確認してみるようにしてください。

②コーキングの上にはクリア塗装はできない

外壁と外壁の間にゴムのような素材のものが繋ぎ目として使われていることがあります。そのゴムのようなものをコーキングというのですが、コーキングがある外壁にクリア塗装を行う際は気をつけなければいけません。

コーキングの上に、直接クリア塗装をしてしまうと、コーキングの部分と塗料がうまく密着できず、高確率で剥がれてきてしまうからです。

では、コーキングがある外壁はどのようにしたらいいのかというと、コーキングの部分を養生するなどして避けて塗布していく必要があります。塗料がコーキング部分にかかってしまわぬように注意をしてください。

クリア塗装の予算は1㎡辺り千円から可能

最後に気になるクリア塗装の予算ですが、冒頭にお伝えしたように塗料の種類はさまざまでグレードによって異なってきます。２回塗りか３回塗りかによって価格も異なってきますが、クリア塗装の場合は色を付ける下塗りを省くことができるため、2回塗りでもいいでしょう。

1番安くクリア塗装を施工したいのであれば、アクリル樹脂を原料とした塗料になります。こちらでしたら1㎡辺り千円から施工が可能となります。

続いて、ウレタン、シリコン、フッ素とグレードは上がっていき、フッ素塗料で施工すると1㎡辺り3千円からのイメージとなります。価格は担当する会社によって前後はしてきますが、こうした素材によるグレードがあることを知っておいた方がいいでしょう。

グレードによって耐久年数も変わってきます。アクリル塗料の耐久年数が5年～7年なのに対してフッ素塗料だと15年～20年も持つので、塗り直すことを考えたら最終的にはそれほど金額が変わらなくなるかもしれません。

クリア塗装は外壁を綺麗に保てる

クリア塗装を行うことによって、外壁の劣化を防いで綺麗に外壁を保つことができます。ただし、無色透明の塗料となることから、色褪せなどの問題が生じてから塗装を行うのには向いていません。

そこで、今の外壁をそのまま綺麗な状態で保ちたいという場合は、劣化が始まる前にクリア塗装を検討する必要があります。クリア塗装の具体的な特徴、そして価格面などはあらかじめ把握しておくことでスムーズに対応できるでしょう。