家の屋根や外壁の塗装は時間の経過とともに劣化していきますので、定期的な塗り直しが必要になります。塗り直しに使われる塗料の種類はたくさんありますが、一般的によく使われているのがシリコン塗料です。

ここでは、なぜシリコン塗装を選ぶ人が多いのかという理由と、屋根や外壁を塗装するのにシリコン塗料を選ぶときの注意点についてご紹介します。

シリコン塗料の種類と特徴

シリコン塗装では、シリコン樹脂を主成分としたシリコン塗料を使って塗装をおこないます。この塗料には下記の3種類があり、用途や予算に応じて使い分けされます。

• 水性1液型
• 油性1液型（溶剤1液型）
• 油性2液型（溶剤2液型）

ホームセンターなどで売られているものが水性1液型で、安価ではあるものの油性のシリコン塗料と比べると耐久性や密着性が劣ります。ただし、扱いやすく入手性も優れていますので、DIYなどに適しています。

油性1液型は一般的な油性塗料と同じように使えますが、水性のシリコン塗料よりも耐久性に優れ、家のリフォームなどでも部分的に使われることもあります。硬化剤を混ぜないため、余った場合には翌日以降も使うことができます。

工務店などのプロが施工するのに使っているのが油性2液型で、硬化剤を使用するため、混ぜたらすぐに使い切らなくてはいけません。価格は他の2種類よりも高めですが、耐久性も密着性もとても高く外壁や屋根の塗装に適しています。また、弾性にも優れていますので、壁材のひび割れを防ぐ効果もあります。

シリコン塗装が選ばれる理由

家のリフォームなどで塗装をおこなうとき、その7〜8割がシリコン塗料を使って施工されています。なぜこれほど多くの家で、シリコン塗装が選ばれるのでしょうか?

シリコン塗装は耐久性と耐候性に優れ、塗装後の仕上がりもきれいな塗装方法です。耐用年数も長いことからコストパフォーマンスにも優れています。シリコン塗装を施した場合の耐用年数は8〜15年といわれ、最も安価なアクリル塗装の倍の期間使用できます。

耐用年数が長いということは、それだけ塗り直しのサイクルを延ばすことができますので、トータルでのリフォーム費用を抑えることができます。シリコン塗装よりも耐用年数が長い塗装にフッ素塗装がありますが、こちらは1㎡あたりの単価が1,000円程度高くなり、リフォーム費用が高額なものになってしまいます。

予算が潤沢にある場合には、そのような高額な塗装が可能ですが、ほとんどの家では限られた予算のなかでリフォームをおこないます。そのため、コストパフォーマンスに優れたシリコン塗装が、多くのケースで採用されているというわけです。

シリコン塗装を選ぶときの注意点

多くの人が選んでいるシリコン塗装ですが、それだけの理由で決めてしまうと施工してから後悔することもあります。満足度の高いリフォームをしてもらうために、シリコン塗装を選ぶときの注意点をご紹介します。

使用する塗料の種類を確認する

シリコン塗装に使われる塗料には3つの種類があるとお伝えしましたが、施工を依頼するときには、必ずどの塗料を使用するのか確認してください。見積金額が安いからという理由だけで依頼したら、水性1液型の塗料で施工されたということがあります。

1液型と2液型では耐用年数が約3年違います。このように、シリコン塗料でも種類によって効果や耐用年数が変わってきますので、外壁や屋根などの過酷な環境で使用する場合には、油性2液型の塗料を使ってもらいましょう。

長期保証には騙されないようにする

シリコン塗装をおこなう業者の多くが、保証期間を設けています。外壁は5〜7年、屋根は3〜5年保証というのが一般的ですが、業者によっては10年くらいに設定していることがあります。単純に考えると10年のほうが良さそうですが、10年間ずっときれいであることを保証するわけではありません。

自然劣化は保証の対象外となっているケースがほとんどで、「何でも保証しますよ」としている業者は信頼できない業者である可能性が考えられます。しっかりと保証内容の説明をしてもらい、安心して任せることのできる業者を選ぶようにしてください。

価格と耐用年数のバランスがいいシリコン塗装

塗装には最高品質のものを使って、しっかりと家を守りたいとは思うものの、フッ素塗装や光触媒塗装はかなり高額な費用になってしまいます。そう考えたときに、シリコン塗装というのは価格と耐用年数のバランスがよいため、多くの塗装リフォームで選ばれています。

ただし、シリコン塗装でも塗料の種類によっては耐用年数が落ちてしまいます。予算が限られていますので、少しでも安く施工したいかもしれませんが、耐久性や密着性を落としたのではシリコン塗装の魅力が半減します。価格だけで選ぶのではなく、高品質な塗料を使って満足度の高いリフォームを目指しましょう。